はじめに
「社長」って言葉、日常でもニュースでもよく耳にするけど、「実際に何してるの?」って聞かれると、答えるのは意外と難しいかもしれません。なんとなく偉い人、会社のトップ、というイメージはあるけれど、実際にどんなことをして、どんな風に会社を動かしているのかまでは知らない人が多いと思います。
今回は、そんな“社長”という存在に焦点をあててみます。一般企業の社長の仕事から、スタートアップや中小企業の社長のリアルな日常、そして日本とアメリカの社長(CEO)の違いまで、幅広く、でもなるべく分かりやすく紹介していきます。
一般企業の社長って何してるの?
大企業やある程度の規模を持つ会社の社長って、会社全体のトップ、つまり“最終的な責任を持つ人”です。もっとざっくり言えば、「会社のすべてに目を配って、うまく回るように考えて、決めて、動かす」ポジション。具体的にはこんなことをやっています。
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会社のビジョンや方向性を決める
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経営戦略を立てる(どうやって利益を出すか、どこに投資するか)
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必要なお金をどう調達するか、どう使うかを考える
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社員の評価や昇給・降給の方針を決める
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大口取引先や株主、投資家への対応を行う
つまり、社長は「会社という船の舵を握って、嵐が来ても安全に航海させる船長」のような存在です。自分では漕がないこともあるけど、どこに向かうかを決めるのが社長の仕事です。
スタートアップや中小企業の社長はどう違う?
一方で、スタートアップや小さな会社の社長は、ちょっと事情が違います。というのも、会社がまだ小さいうちは人手が足りないから、社長が何でもやるのが当たり前。いわば「プレイヤー兼監督兼マネージャー」みたいな感じです。
朝は営業の電話をかけ、昼は請求書を作り、夕方には資金繰りを考えて銀行と面談、夜には採用面接をして、その後にメール処理……なんて一日を過ごしている社長も珍しくありません。スーツじゃなくてパーカー姿で、ノートパソコンを持ってカフェで仕事している社長もたくさんいます。
判断のスピードも早く、「やろう」と決めたらすぐに実行。現場で起きている問題にも即対応します。社員数が少ない分、意思決定が早く、行動もフットワークが軽いのがスタートアップ社長の特徴です。
日本の社長とアメリカのCEO、どこが違う?
では、日本とアメリカで「社長」はどのように違うのでしょうか。日本では「社長」、アメリカでは「CEO(Chief Executive Officer)」と呼ばれますが、その立場ややり方には意外と差があります。
ポイント | 日本の社長 | アメリカのCEO |
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法的な立場 | 会社法で定められた正式な役職 | 法的に必須ではなく、役割重視 |
後継のスタイル | 社内からの昇進や創業者一族が多い | 外部から専門家を招くケースも多い |
給与の決まり方 | 年功や役職に応じて一定幅に収まることが多い | 業績連動で変動が大きい。ストックオプションもあり |
経営スタイル | 長期安定や組織内調和を重視 | スピードと成果を重視。短期で結果を求められる |
日本の社長は「みんなで協力して進む」スタイルが多く、社員の声を聞いて慎重に進めることが好まれます。一方アメリカのCEOは「とにかく結果を出す」ことが求められ、ハイリスク・ハイリターンな選択もどんどんしていきます。
有名社長たちの一言
最後に、印象に残る社長たちの言葉をいくつか紹介します。
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トヨタの豊田章男さん:「決断と責任を取るのが社長の仕事」
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社長はただ決めるだけでなく、その結果に対しても責任を取る覚悟が必要。
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ソニーの吉田憲一郎さん:「世界を感動で満たす」というパーパス(存在意義)を掲げ、IP(知的財産)を中心としたグローバル戦略を展開。
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楽天の三木谷浩史さん:社内公用語を英語にするなど、大胆な変革を行った人物。「好感度で経営はできない」という言葉には、経営者としての覚悟がにじみます。
社長の数だけスタイルがあり、考え方も千差万別。それがまた面白いところです。
おわりに
「社長」と聞くと、どこか雲の上の存在に思えるかもしれません。でも実際は、会社のことを誰よりも真剣に考え、社員の人生や取引先の信頼を背負って日々動いている、ものすごく責任の重い仕事です。
大企業の社長は舵取り役として戦略を描くプロフェッショナル。スタートアップや中小企業の社長は自ら走りながら全体を見渡すプレイヤー。どちらも「社長」という肩書のもとに、まったく異なる役割と挑戦があるんです。
「社長って何する人?」という問いに、ひとことで答えるのはやっぱり難しい。でも、その分だけ奥が深くて、人間味あふれる仕事でもあるんですよね。
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